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OOH・DOOH/マーケティングコラム

2025.09.26 OOH・DOOH/マーケティングコラム

「またWeb広告のCPAが悪化…」そんな時にこそ試したい、OOHによる新規顧客層へのアプローチ法。

OOHによる新規顧客層へのアプローチ法
リスティング広告やSNS広告のCPA(顧客獲得単価)が、改善努力を続けているにもかかわらず、徐々に上昇していく。これは、多くのWebマーケティング担当者が直面する深刻な悩みです。ターゲット層を絞り込み、クリエイティブを最適化し、入札単価を調整する。しかし、ある時点から、そうした改善活動が限界を迎え、CPAは高止まりしてしまう。

この停滞感の根本原因は、多くの場合、**「同じ顧客プールの中で、競合とパイを奪い合っている」**ことにあります。そんな時、視点を「内」に向けるのではなく、「外」に向けることがブレークスルーの鍵となります。本記事では、Web広告の限界を突破し、新たな顧客層を開拓するための強力な一手として、OOH(屋外・交通広告)の戦略的な活用法を解説します。


1. CPAが高騰する根本原因とは?「刈り取り」続けるマーケティングの限界

CPAが高騰する根本原因とは
Web広告、特に検索連動型広告やリターゲティング広告は、すでに商品やサービスに関心を持っている「顕在層」にアプローチし、コンバージョンへと繋げる(=刈り取る)上で非常に強力なツールです。しかし、この「刈り取り」に特化したマーケティングには、構造的な限界が存在します。

まず、刈り取る対象となる顕在層のパイは有限であるという点です。あなたの会社が狙う魅力的な顧客層は、当然、競合他社も同じように狙っています。同じパイを巡って入札競争が激化すれば、クリック単価(CPC)は必然的に上昇し、CPAを押し上げます。

さらに、同じターゲット層に広告を繰り返し表示し続けることで、**広告への「慣れ」や「飽き(広告疲労)」**が生じます。最初は目新しかった広告も、何度も見ているうちに無視されるようになり、クリック率(CTR)は低下していきます。

この状態は、例えるなら「同じ畑で、同じ作物を繰り返し収穫しようとしている」ようなものです。土壌(=顧客プール)が痩せてくれば、収穫効率(=CPA)が悪化するのは当然のこと。持続的な成長のためには、既存の畑を耕し続けるだけでなく、**新たな畑(=新規顧客層)を開拓し、そこに種をまく(=需要を創出する)**という視点が不可欠なのです。


2. OOHが「新たな需要の畑」を耕すメカニズム

OOHが「新たな需要の畑」を耕すメカニズム
OOH広告は、この「新たな畑を耕す」という役割において、Web広告にはない絶大な力を発揮します。

Web広告のターゲティングは、ユーザーの過去の検索履歴や閲覧履歴といった「過去の行動データ」に基づいています。つまり、そもそもあなたの製品カテゴリーに興味を示したことのない人には、広告を届けること自体が困難です。彼らは、Web広告の「フィルターバブル」の外側にいる存在なのです。

一方でOOH広告は、そのエリアにいる不特定多数の人々の生活動線上に存在します。そこには、あなたの製品をまだ知らない人、必要性に気づいていない人、つまり**Web広告では決してリーチできない膨大な「潜在層」**が含まれています。OOHは、彼らの日常に自然な形で入り込み、「こんな商品があったのか」「私の悩みを解決してくれるかもしれない」という、新たな興味の“種”を植え付けます。

このOOHによる**「認知の土壌作り」**こそが、CPA悪化のサイクルを断ち切る鍵です。OOHによって初めてブランドを知った人々が、やがて興味を持ち、Webで検索を始める。こうして、Web広告が刈り取るべき「新たな顕在層」が継続的に供給され、マーケティングファネル全体が活性化していくのです。


3. CPA改善に繋がるOOH広告の戦略的な活用術

CPA改善に繋がるOOH広告
では、具体的にどのようにOOHを活用すれば、新規顧客層を開拓し、CPA改善に繋げられるのでしょうか。3つの戦略的アプローチをご紹介します。

アプローチ①:"準"潜在層がいるエリアを狙う

全くの無作為に広告を出すのではなく、「今はまだニーズが顕在化していないが、将来的に顧客になる可能性が高い」人々が集まる場所を狙います。例えば、高級オーディオメーカーであれば、オーディオルーム付きの新築マンションが建設されたエリアの最寄り駅に広告を出す。ベビー用品メーカーであれば、若いファミリー層が多く住むことが分かっている市区町村の商業施設に広告を出す。このように、ライフスタイルの文脈からターゲットの未来のニーズを予測し、先回りしてアプローチします。

アプローチ②:競合ユーザーの日常に割り込む

競合他社の顧客が多いエリアや、彼らが日常的に利用する交通機関に、自社ブランドの広告を戦略的に投下します。例えば、特定の法人向けSaaSの競合企業がA社だとすれば、A社のサービスを導入している企業が多く集まるオフィス街の駅や、その周辺のタクシー広告などで、自社の優位性を訴求します。これにより、競合ブランドのユーザーに「もっと良い選択肢があるかもしれない」という気づきを与え、乗り換え(スイッチング)のきっかけを創出します。

アプローチ③:Web広告が届かない層にリーチする

特定の業界や職種の人々(例:建設業、医療従事者など)は、業務中にPCやスマホを頻繁に利用しないため、Web広告でのリーチが難しい場合があります。彼らが日常的に利用する交通機関や、業界の専門誌即売会が行われるイベント会場周辺などでOOH広告を展開することで、これまでアプローチできなかった**「オフライン中心」の新規顧客層**を開拓することが可能です。

4. OOH投資を「CPA改善」というゴールに繋げるために

OOH投資を「CPA改善」というゴールに繋げる
OOHへの投資をCPA改善という成果に結びつけるためには、最後に一つ、重要な心構えがあります。それは、「時間差」と「間接効果」を理解することです。OOH広告は、漢方薬のように、じわじわと、しかし確実にマーケティング全体の体質を改善していきます。

OOH広告を掲出した翌日に、劇的にCPAが下がるわけではありません。OOHによって生まれた認知が、指名検索の増加やWeb広告のCTR向上といった形でデジタル指標に現れるまでには、数週間から数ヶ月の時間を要します。

そのため、OOHの効果は単体で見るのではなく、掲出エリアにおける**「指名検索数の推移」「Web広告のCTRの変化」「サイトへのダイレクト流入数の変化」**といった間接的な指標を定点観測し、総合的に評価することが不可欠です。Web広告のCPA改善に行き詰まった時こそ、OOHによる「土壌作り」に投資する。その長期的視点こそが、持続的な事業成長を実現する鍵となるのです。

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01企画/プリプロダクション映像制作は目的に沿ったコンセプトとアイデアの策定、シナリオ・コンテ制作、キャスティング、 ロケーションの選定、予算や進行管理などの事前準備が必要になります。それらをプロデューサー・ディレクターが最適なスタッフィングでお客様と密なコミュニケーションを取りながら決定していきます。 02撮影/プロダクション映像撮影は、プリプロダクションで企画された内容に基づいて、実際に映像を撮影するフェーズです。この段階では、キャスト、スタッフ、機材、 ロケーションを使って、映像の素材を収録します。撮影中にクオリティの高い映像と音声を収録することが、最終的な映像作品の出来栄えに直結します。 03 編集/ポストプロダクション編集やポストプロダクションは、映像制作の最終段階であり、撮影された素材を整理し、最終的な映像作品として仕上げるプロセスです。映像を視覚的に整理し、音声やエフェクトを加え、 視聴者に伝わる形で作品を完成させます。ポストプロダクションは、映像のクオリティを大きく向上させる非常に重要なフェーズです。

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