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OOH・DOOH/マーケティングコラム

2025.09.08 OOH・DOOH/マーケティングコラム

【事例で解説】プログラマティックDOOH(pDOOH)とは?Web広告のようにDOOHを運用し、ROIを最大化する新常識。

プログラマティックDOOH(pDOOH)
Web広告の世界では、DSPやSSPといったプラットフォームを活用し、広告枠をリアルタイムかつ自動的に売買する「プログラマティック広告」が主流となって久しいです。では、もし屋外のデジタルサイネージ(DOOH)も、Web広告と全く同じように、データに基づいてターゲットを狙い撃ちし、リアルタイムで広告を運用できるとしたらどうでしょうか。

それを実現するのが、今まさに広告業界で急速に普及し始めている**「プログラマティックDOOH(pDOOH)」**です。従来の「この場所に、この期間」といった枠買いの発想を根底から覆すこの仕組みは、DOOHを真にデータドリブンなメディアへと進化させ、マーケティングのROIを最大化する新たな常識となりつつあります。本記事では、pDOOHの仕組みから具体的な活用事例まで、分かりやすく解説します。

1. プログラマティックDOOH(pDOOH)の仕組みとは?

プログラマティックDOOH(pDOOH)の仕組み
プログラマティックDOOH(以下pDOOH)とは、一言で言えば**「DOOH広告枠の自動買い付けの仕組み」**です。従来、屋外広告を出稿する際は、広告主が媒体社に直接問い合わせ、空き枠を確認し、価格を交渉し、契約を結ぶという、非常に手動で時間のかかるプロセスが必要でした。

pDOOHは、このプロセスをテクノロジーで自動化します。Web広告でお馴染みの、広告主側のプラットフォーム**「DSP(Demand-Side Platform)」と、媒体社側のプラットフォーム「SSP(Supply-Side Platform)」**がDOOHの世界でも連携。広告主はDSPを通じて、出稿したいDOOHスクリーンの条件(エリア、時間帯、オーディエンス属性など)を設定するだけで、条件に合致した広告枠がSSP経由で自動的に、かつリアルタイムに近い形で購入(落札)され、広告が配信されるのです。

これにより、広告主は複数の媒体社のスクリーンを一つのプラットフォーム上で横断的に管理・購入できるようになり、キャンペーンの設計から配信開始までのリードタイムが劇的に短縮されます。まさに、Webのディスプレイ広告を運用する感覚で、街中のスクリーンに広告を配信できる時代が到来したのです。


2. pDOOHがもたらす3つの革命的なメリット
pDOOHがもたらす3つの革命的なメリット

pDOOHの導入は、広告主にとって3つの大きなメリットをもたらし、DOOH広告の費用対効果を飛躍的に向上させます。


メリット①:データに基づいた高度なターゲティング

pDOOHの最大の強みは、位置情報データや天候データ、周辺の店舗情報といった様々な外部データと連携できる点にあります。これにより、「特定の商業施設を訪れたことがある層が多いスクリーンに配信する」「気温が30度を超えたら、飲料の広告を自動で配信する」「近隣で大規模イベントが開催される時間帯だけ配信を強化する」といった、状況に応じたきめ細やかなターゲティングが可能になります。**「誰にでも」ではなく、「届けたい人に、届けたい瞬間に」**広告を見せることができるのです。

メリット②:柔軟かつ効率的な予算管理

従来の枠買いでは、一度契約すると期間中の予算変更は困難でした。しかしpDOOHでは、インプレッション数(広告の推定表示回数)に応じて課金されるCPM課金が基本です。そのため、「1日の上限予算を設定する」「特定の時間帯だけ入札単価を上げる」といった、Web広告のような柔軟な予算管理が可能です。キャンペーンの途中で効果を見ながら、成果の良いスクリーンに予算を集中させ、悪いスクリーンは停止するといったリアルタイムな最適化が行えるため、無駄な広告費を削減し、ROIを最大化できます。

メリット③:クリエイティブの出し分けによる訴求力の向上

広告枠をリアルタイムで制御できるため、状況に応じたクリエイティブの自動的な出し分けも可能です。例えば、「朝の時間帯はコーヒーの広告、夜の時間帯はビールの広告を同じスクリーンで配信する」「雨が降ってきたら、傘やレインコートの広告に切り替える」といったダイナミックな表現が実現します。ターゲットのその時々の状況や気分(モーメント)に寄り添ったメッセージを届けることで、広告の訴求力を格段に高めることができます。


3. 【実践事例】pDOOHはどのように活用されているのか?
【実践事例】pDOOHはどのように活用されているのか?

pDOOHは既に様々な業界で、その効果を発揮し始めています。


事例①:飲料メーカー × 気象連動配信

ある飲料メーカーは、全国のDOOHスクリーンにおいて、気温と連動したpDOOHキャンペーンを実施しました。気温が25度を超えたエリアのスクリーンに限定して、冷たい清涼飲料水の広告配信を自動的に強化。さらに、湿度の高い日には「スッキリ爽快」、日差しが強い日には「ゴクゴク潤う」といった形で、気象状況に合わせてコピーを細かく出し分けました。結果として、気象条件と消費者のニーズが合致したタイミングで広告を届けることに成功し、売上向上に大きく貢献しました。


事例②:自動車メーカー × 富裕層ターゲティング

高級車ブランドは、新モデルのローンチに際し、富裕層へのアプローチを目的としました。スマートフォンの位置情報データを活用し、「高級住宅街の居住者」や「高級ホテルの利用者」といったオーディエンスセグメントを作成。彼らが頻繁に訪れるエリア(高級レストラン街、ゴルフ場周辺など)のDOOHスクリーンをpDOOHで買い付け、集中的に広告を配信しました。これにより、マス広告では難しい、特定のライフスタイルを持つ層への効率的なリーチを実現しました。


4. pDOOH時代にマーケターが持つべき視点

pDOOH時代にマーケターが持つべき視点
pDOOHの台頭は、マーケティング担当者に新たな視点と思考法を要求します。それは、単に「良い場所(ロケーション)」を押さえるという従来のメディアプランニングの発想から脱却し、「良い対象(オーディエンス)」をデータに基づいて追いかけるという、Webマーケティング的な発想へとシフトすることです。


どのデータを使えばターゲットを可視化できるか。どんな状況(モーメント)で広告を当てれば、心に響くか。そして、DOOHで生まれた認知や興味を、いかにしてWebサイトへのアクセスや店舗への来店といった次のアクションに繋げるか。オフラインとオンラインの境界線をなくし、データという共通言語で顧客の行動を統合的に捉える視点が、これからのマーケターには不可欠となるでしょう。pDOOHは、その実現を加速させる強力なツールなのです。

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