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OOH・DOOH/マーケティングコラム

2025.08.25 OOH・DOOH/マーケティングコラム

もはや「屋外のインターネット広告」。DOOHの進化と、位置情報データを活用したターゲティング配信の最前線。

マーケティングご担当者の皆様が「屋外広告」と聞いてイメージするのは、ビルに貼られた巨大なポスターや、印刷された看板ではないでしょうか。しかし、そのイメージはもはや過去のものとなりつつあります。今、街中の広告は急速にデジタル化し、DOOH(Digital Out of Home)として、インターネット広告のような高度な進化を遂げているのです。

もはや「屋外のインターネット広告」。DOOHの進化
「看板の前を、たまたま通りかかった人に見られる広告」から、「特定のターゲット層が集まる場所・時間を選んで、最適なメッセージを届ける広告」へ。DOOHは、データとテクノロジーの力で、オフラインの世界における新たなマーケティングの可能性を切り拓いています。本記事では、DOOHが「屋外のインターネット広告」とまで呼ばれる理由と、その進化を支える位置情報データを活用したターゲティング配信の最前線を解説します。


1. DOOHが「屋外のインターネット広告」と呼ばれる3つの理由

DOOHが「屋外のインターネット広告」と呼ばれる3つの理由
従来のOOH(屋外広告)が「特定の枠を特定の期間買い切る」モデルだったのに対し、DOOHはWeb広告と同様の柔軟性とデータ活用を可能にしています。その主な理由は3つあります。

理由①:柔軟なクリエイティブの変更と配信管理

印刷物のポスターは一度掲出すると期間中の差し替えは困難ですが、デジタルのスクリーンであるDOOHは、クリエイティブの変更が遠隔操作で瞬時に行えます。これにより、例えば「午前中はビジネスパーソン向けのA案、午後は学生向けのB案を配信する」「セール初日と最終日でメッセージを変える」といった、Web広告のバナー差し替えのような柔軟な運用が可能になります。

理由②:インプレッション(推定視聴数)ベースでの取引

Web広告がCPM(Cost Per Mille)=インプレッション単価で取引されるように、DOOHの世界でも、そのスクリーンを期間で買うのではなく、「推定何人に見られたか(インプレッション)」をベースにした広告枠の売買が主流になりつつあります。これにより、広告主はより費用対効果を意識した、合理的な広告出稿の判断が下せるようになります。

理由③:データに基づいた効果測定

DOOHの最大の進化は、効果測定の高度化です。スマートフォンの位置情報データなどを活用することで、「広告に接触した人が、その後来店したか(リフト率)」「広告接触者の属性(年代・性別など)」といった、従来は不可能だった詳細な分析が可能になりました。これにより、DOOHは「出しっぱなし」ではなく、Web広告のようにPDCAサイクルを回せるメディアへと変貌を遂げています。


2. 位置情報データが実現する「DOOHターゲティング」とは?

位置情報データが実現する「DOOHターゲティング」とは
DOOHの進化を支える核心技術が、許諾を得たスマートフォンのアプリケーションなどから得られる、膨大かつ匿名化された「位置情報データ(ジオデータ)」の活用です。このデータを分析することで、特定のDOOHスクリーンの前を「いつ、どんな人が、どれだけ通るのか」を高精度で可視化できます。

例えば、あるDOOHスクリーン周辺の過去の位置情報データを解析すると、「平日の午前中は30代~40代のオフィスワーカーが多く、休日は20代のカップルが多い」といったオーディエンス(視聴者)の傾向が分かります。広告主は、このオーディエンスデータに基づいて、自社のターゲット層が最も多く集まるスクリーンや時間帯を選んで広告を配信することができるのです。

さらに、過去の行動履歴からユーザーの興味関心を推測する「オーディエンスターゲティング」も可能です。「過去1ヶ月以内に百貨店を訪れた人」「特定のライブ会場に行った人」「都内の大学に通っている学生」といった特定のセグメントが、どのエリア・どのDOOHスクリーンに多く存在するかが分かり、彼らに向けた狙い撃ちの広告配信が実現します。これは、Web広告におけるオーディエンスターゲティングの考え方を、そのままリアルの世界に持ち込んだものと言えるでしょう。


3. DOOH広告配信の具体的なターゲティング活用例

DOOH広告配信の具体的なターゲティング活用例
位置情報データを活用したDOOHターゲティングは、様々な業種で効果を発揮します。

活用例①:BtoB企業 × オフィス街でのターゲティング

大手企業が多く集まる丸の内や大手町エリアのオフィスビル周辺のDOOHにターゲットを絞ります。配信時間も、ビジネスパーソンが移動する平日の朝の通勤時間帯(7時~9時)と、昼休み(12時~13時)に限定。法人向けクラウドサービスや、業務効率化ツールの広告を配信することで、ターゲットとなるビジネス上の意思決定層に効率的にアプローチします。

活用例②:アパレルブランド × 特定エリア来訪者へのターゲティング

自社ブランドの店舗がある銀座や表参道エリアへの来訪経験者や、競合ブランドの店舗周辺を訪れた人をターゲットとして設定。彼らがよく利用する沿線の駅や、居住エリアのターミナル駅のDOOHで新商品やセールの広告を配信し、再来店を促します。

活用例③:食品メーカー × スーパーマーケット周辺でのターゲティング

自社製品を扱うスーパーマーケットチェーンの周辺にあるDOOHを配信面に設定。特に、買い物客が増える平日の夕方(16時~19時)や、週末の昼間に絞って広告を配信。「今夜の献立に」といったメッセージで、購買直前のショッパー(買い物客)に直接訴求し、店頭での売上に繋げます。


4. DOOHの進化がもたらす未来と、マーケターが心得るべきこと

DOOHの進化がもたらす未来
DOOHの進化はまだ止まりません。今後は、Web広告のRTB(Real Time Bidding)のように、広告枠をリアルタイムで自動的に買い付ける**「プログラマティックDOOH(pDOOH)」**がさらに普及していくでしょう。これにより、よりきめ細やかで、効率的な広告配信が当たり前になります。


このような時代において、マーケティング担当者が心得るべきことは、**「オフラインとオンラインを分断して考えない」**という視点です。DOOHでブランドや商品を認知させ、その接触者をWeb広告のリターゲティングで追いかけ、コンバージョンに繋げる。あるいは、Web広告で獲得した顧客のデータを分析し、彼らがリアルで集まる場所にDOOHを出稿する。このような、オフラインとオンラインを自在に行き来する統合的なコミュニケーション設計が、今後のマーケティングの成果を大きく左右します。

DOOHはもはや、単なる屋外広告ではありません。リアルな世界で、ターゲットと深く繋がるための強力な「デジタル接点」なのです。

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